AADとRSLの重要性

Age: 33 (Female)
Number of Jumps: 130
Time in Sport: Two Years
Cause of Death: メインをカット後、リザーブ開傘高度が低すぎ、地表に激突

・概要
通常のフリーフォールの後、2,500~3,000ftで開傘。
ラインオーバーが発生し、スピンし始めた。
4~5回スピンし、1,500~2,000ftでメインをカット。
体勢が崩れたまま500ftほど降下した後に安定を取り戻したが、そのままフリーフォールを継続。
地上に激突する寸前にリザーブリップコードをプルしたものの、キャノピーがフリーバッグから出る間も無く、即死。

・結論
目撃者の話によると、このジャンパーはメインをカットした後にリザーブリップコードを見失っているように見えた、とのこと。
スピンを伴うマルファンクションは、混乱した状況を招きやすく、カッタウェイハンドルやリザーブリップコードの位置が
分かりづらくなることがある。
また、ハーネスの装着具合、ジャンプスーツ、その他の装備、の影響で、その両方が見えにくくなることもある。
SIMのセクション4にて、緊急時の手順を開始する際には、まず、カッタウェイハンドルとリザーブリップコードの位置を確認するよう
勧告している。

このジャンパーは、RSLもAADも装備していなかった。
RSLは、メインをカットした際にリザーブキャノピーを自動で開傘させる機能である。
SIMのセクション5-3において、(特殊なケースを除き)すべてのジャンパーにRSLを装備することを勧告している。
AADは、リザーブキャノピーがオープンするのに最低限必要な高度で作動し、リザーブを開傘させる機能である。

RSLとAADは、あくまでもバックアップの機能として考え、マルファンクションの際には正しい緊急手順を行うべきである。
すべてのスカイダイバーは、地上で定期的に緊急時の手順を確認すべきである。
地上で正しく覚えていない場合、本当の緊急時に対応できない。

System: Not reported
Main: Performance Designs Sabre 190
Reserve: Para-Flite Swift 175
AAD: No
RSL: No

TSCでは、AADを装備していないギアでは飛べません。
装備していても、スイッチが入っていなければただの金属箱です。

RSLを装備していたとしても、コネクタが外れていれば動作しません。
誤ってスリーリングに掛かっていた場合、メインをカット出来ない最悪の事態となります。

ついでに、パーシャルマルファンクションの手順を再確認してくださいね。