カテゴリー: 事故事例

キャノピー後方の乱気流

Age: 39 (Male)
Time in Sport: 13 years
Total Number of Jumps: 2250
Skydives Within the Last 12 Months: 170
Cause of Death: メインキャノピーが潰れた状態でハードランディング

・概要
複数航空機を使用した大人数ジャンプの後、正常に開傘。
地上約40ftで、他のキャノピーの真後ろに接近。
メインキャノピーが潰れ、地面へハードヒット。
病院へ空路搬送されたものの、複数の骨折と内蔵損傷により数時間後に死亡。

・結論
60名によるラージフォーメーションに参加。
ラージフォーメーションでは、キャノピーが混雑する中での整然としたランディングパターンが要求される。
ファイナルアプローチにて、前を飛んでいるキャノピーの後方乱気流を受け、彼のキャノピーは完全に潰れた。

乱気流が発生する要因は複数あり、ジャンパーはそれを知っておく必要がある。
木や建物などの障害物による乱気流はもちろん、自身のキャノピーの真後ろにも乱気流は発生する。
SIMの第4章(カテゴリーC)で乱気流の影響について説明している。

このジャンパーは、前方のキャノピーの真後ろではなく、側方に避けることが出来れば、乱気流を受けなかったはずである。

System: Sun Path Javelin
Main: Performance Designs Velocity 111 ; Wing Loading: 1.8:1
Reserve: Performance Designs PD 126R
AAD: Airtec Cypres 2
Helmet: Full-face fiberglass shell (brand unknown)

ボクも上空で試したことがあるのですが、他のキャノピーの真後ろに入った瞬間、「バサッ」と煽られます。
前を行くキャノピーの背後に付かないのはもちろんですが、ファイナルアプローチで斜めに飛ぶこともやめましょう。
予期せず、他のキャノピーに乱気流の影響を与えるかもしれません。