「0.5西の30秒前目安で」
「1ドット西の土手道あたりで」
ジャンプ前のブリーフィングで耳にするこんな言葉。
スポットセミナーを受けていないと「なんのこっちゃ?」って感じなんだけど、降下開始地点を決める大事な情報なので、
ボクの小さな脳みそでも分かるように図解してみた。(クリックで拡大)
南から北(図上では左から右)へのジャンプランで、上空風は320°(北)から20knotを想定。
以下、「水門」は「用水路」と読み替えてください。
↓上空12,500ftから見た図
↓拡大版
多くの場合、飛行機は滑走路と平行に飛ぶんだけど、横風を考慮して東西に距離をとるのが「○ドット西(東)」。
1ドットは480メートルで、滑走路と本田航空事務所の間がちょうど1ドットぐらい。
西風が強ければ、これを1.5ドット・2ドットとずらしていくのね。
ちなみに、この「ドット」ってのはキャラバンに搭載されているGPSの目盛りを指すので、その距離はGPSの縮尺によってまちまち。
(それでは困るので、1ドット=480メートル固定で運用)
んで、「30秒前目安」と言った場合は、「キャラバンが滑走路の中央に到達するまであと30秒の地点」を指すのね。
あらかじめパイロットに「30秒前でお願いします」と伝えておくと、1分30秒前に「あと1分ー!」と言ってくれるわけ。
んで、1分前にロールドアを開けて、事前に決めておいた「水門(用水路)」「土手道」「Uの字」などの目標物の真上に来たらカット。
キャラバンは巡航速度を185km/hから140km/hへ減速。(だいたいね)
んで、この「真上」というのが曲者で、「あなたが見ているのは本当に真下ですか?」っていう話。
キャラバンが完全に水平飛行していればいいのだけど、微妙に上昇や下降をしている場合もあるのね。
もし、仰角が3°の場合に地上を見ると、キャラバンに乗っている本人がすでに3°傾いているわけで、真下を見ているつもりでも3°離れた
(約200メートル異なる)地点を見ていることになる。
・・・の図↓
3,800メートル×tan(3°×π÷180)=200メートル
真下を見ているつもりで視線が10°傾いていたら?
3,800メートル×tan(10°×π÷180)=670メートル
予定よりも滑走路1本分ぐらい離れた地点でExitしちゃってアウトジャンプとか、父ちゃん情けなくて涙が出てくるね。
「真下」というのは、あくまでも地平線を基準にして真下ということ。
スポッターを見ていると、頭を上下にコックリコックリと動かしているのが分かるよ。
あれは眠たいんじゃなくて、地平線を確認しているのね。
本当に寝ちゃってるスポッターがいたら、遠慮なく蹴り落としてやればいいと思うの。
ほとんどの場合はインストラクターやエクスペリエンスがスポットしてくれるので、あまり意識をする機会は無いけどね。
(それもどうかと思うけど・・・)
知っておいて損はないかと思います。
とりあえず、Google Earthが素敵すぎて萌えるという事が伝われば充分だったり。